その唇で甘いキスをして…
次の日はお休みでハルさんとジョウと
久しぶりにアタシとハルさんが出逢った街、
そしてアタシの愛するRed Choralがある街へ行った。

ジョウは久しぶりの海に喜んではしゃいでいた。

Red Choralはそのまま残っていた。

ジョウさんと2人で働いていたそのカフェは
今も賑わっていた。

ハルさんの友人でアタシとワケありだった花邑さんが買い取って名前もそのまま残してくれた。

スタッフもそのまま残って
お客さんにも顔見知りの人がいて
アタシが行くとみんなは喜んでくれた。

ハルさんは久しぶりに会った友達と話しをして
アタシはジョウとテラスでジュースを飲んだ。

「ここはね、ママが働いてたトコなんだよ。」

「えー、良いなぁ。ママは毎日海見てたの?」

「うん。ジョウもここで産まれて育ったの。
覚えてない?」

「覚えてるよ。カオルと遊んだ。」

「そうだね。」

あの頃はよくカオルがジョウと遊んでくれてた。

「僕もここで働きたい。」

「本当に?」

「うん。」

ジョウがここで働く姿を想像したら涙が出そうになった。

本当の父であるジョウさんと重なったからだ。

その時、1人の客が入ってくるのを見て
アタシは固まった。

「カ、カオル?」

「え?」

そこに居たのはあのカオルだった。

相変わらずカッコよくて女の子が何人もカオルを見てた。

「こ、ここで何してんの?」

「ジュンこそ何やってんだ?」

「あーカオルー!」

「おぉ、ジョウも一緒か!」

ハルさんがカオルに気がついてアタシたちのテーブルにやって来た。

そしてカオルの肩を叩いた。

< 123 / 131 >

この作品をシェア

pagetop