その唇で甘いキスをして…
少し経つとケイタが事務所に来た。

「子供大きくなったな。」

「うん。」

「聞いていいか?」

「え?」

「ジョウさんの子だろ?」

やっぱりケイタにもバレてた。

今のジョウの顔を見たら
ジョウさんを知ってる人はきっと気がつく。

それほどよく似ていたから。

「…うん。」

「ハルさんはそれを知って結婚を?」

「うん。」

「お前はハルさんに愛されてんな。」

「…うん。」

「オレと別れて良かったろ?」

「ケイタも、アタシと別れて良かったでしょ?

ユキさんみたいな素敵な人と出逢えて。」

「うるせー。」

アタシは昔このケイタに捨てられた。

アタシたちの間にハルさんが居たから…。

そしてハルさんが迎えに来た。

「ジュン、帰ろう。

カオルも泊めるから。」

「うん。」

「ケイタ、またな。

たまにはウチに遊びに来い。」

「マジっすか?行きますよ。

じゃあな、ジュン。元気でな。」

「うん。」

カオルと泊まるんだ。

帰りの車の中は何となく居心地が悪かった。

アタシたちは都内へ引っ越す前に住んでた
今は別荘になったあの家に泊まる。

あれからここには来てなかったから
あの家に泊まるのもあれ以来だった。





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