その唇で甘いキスをして…
ハルさんはアタシがヘルパーさんをクビにした理由を聞いた。

「カオルがヘルパーさんに手を出した。」

ハルさんは溜息をついた。

「それで?ヤキモチ妬いたのか?」

「そうじゃ無いよ。

勝手にクビにしてごめんなさい。

でも、そんなこと彼女の仕事じゃないでしょ?」

ハルさんはその細い指でタバコに火を着けると
溜息と一緒に煙を吐いた。

「わかった。

男だとお前に手を出さないか心配だから

次はオバさんにする。」

ハルさんはカオルの部屋に行って
今日みたいな事をしないように釘をさす。

「誰とどうなろうがお前の自由だけど…
ジュンに見せるなよ。」

「すいませんでした。

でも、ハルキさんがいけないんですよ。
俺を刺激するから。」

ハルさんは何も言わずに
カオルの肩を叩いて部屋を出る。

ホントはハルさんはあれから1度もアタシを抱いてないけど
きっとカオルは毎晩そう思って苦しんでた。

ホントは声が聞こえるほど壁は薄くない。

ハルさんはそれをわかっててあの日アタシとカオルを試したんだ。
















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