その唇で甘いキスをして…
ハルさんが帰ってきた夜
アタシたちは狂ったようにお互いを求めあった。

アタシはハルさんなしでは居られなくなって
それはハルさんも同じだった。

ハルさんに触られるだけでどうにかなりそうだった。

「ハルさん、好き…大好き。」

ハルさんはそんなアタシを焦らして
意地悪をする。

ハルさんは今まで知らなかったけど
実はものすごくドSだ。

「ジュン…カオルから聞いたか?」

ハルさんが珍しくベッドの上でカオルの名前を出した。

「何を?」

「アイツ…ここを離れるらしい。」

アタシは突然起き上がった。

「聞いてない。」

ハルさんはアタシを抱き寄せて

「これでいいんだと思う。」

と言った。

アタシはショックでなにも考えられなかった。

「行かせてやろうや。」

ハルさんはそう言ったけど…アタシはそんなに簡単に受け入れられない。

「それでお前を最後に1日貸してくれって言われた。」

「そんなの嫌だよ…」

「俺だって嫌だよ。
でも…アイツの気持ちもわかんねぇでもないからな。

だからって許せるわけでもねぇんだけど。」

カオルがアタシの前から居なくなる。

それだけでアタシは何も考えられなかった。


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