その唇で甘いキスをして…
ハルさんは何を思ってアタシをカオルの所に行かせるんだろう。
朝起きるとハルさんはアタシに言った。
「ジュン…昨日の事だけど…
カオルを手放したくないなら
今まで通り仲良くすればいい。」
「ハルさんはそれでいいの?
またカオルがあんな風にアタシにキスしても?」
「お前が揺るがないって信じてるから…。
前は信じてたから好きにさせたんだ。
でもお前がカオルに揺らいだって聞いて
許せなくなった。
それで…縛った結果お前たちはもっとおかしくなった。
全ては俺のせいだ。」
ハルさんは昔からそうだ。
いつも責任を自分で背負う。
仕事柄そうせざるを得ないんだろうけど
アタシたち夫婦の事は仕事じゃない。
「カオルは寂しくて駄々をこねてるだけだ。
俺たちを引き裂こうとしてるわけじゃない。
でもオレがジュンを縛れば縛るほど
アイツはお前に執着する。
それが昨日わかったんだ。」
いつもの冷静なハルさんに戻っていた。
確かにあの後以来、ハルさんは変わった。
それはそれで情熱的で素敵だった
「ハルさんもまた昔に戻るの?」
「あぁ。」
「またアタシを放ったらかしにする?」
ハルさんはビックリした顔でアタシを見た。