その唇で甘いキスをして…

そしてカオルにまた新しい恋が訪れた。

今度の相手は同じ年のカオルの小学校の頃の同級生だった。

偶然出会って離婚したばかりの彼女とカオルは仲良くなった。

恋に落ちたと言うより、同志を見つけた感じだったらしい。

リンと呼ばれている彼女は前の彼女みたいな色っぽい美人ではなく
心の綺麗な優しい人で
アタシは彼女とすぐ仲良くなった。

「カオルくんてジュンちゃんが好きなのね。」

彼女はヤキモチを妬いたりしない。

アタシは彼女と別れた元夫が信じられなかった。

彼女は何でもできて正に天使のような人なのに…

「深い事聞いていい?

どうして離婚したの?」

リンちゃんは嫌な顔もせずに
正直に言いにくい事を話してくれた。

「アタシね、子供が出来ないの。

結婚してからその事が分かって…

主人はすごく子どもが欲しかったの。

養子を迎えることも考えたけど…

やっぱり血を引く子供が欲しいと思ったの。

だから…アタシじゃダメだって思って家を出たの。」

ショックだった。

リンちゃんの話はあまりに切なかった。


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