その唇で甘いキスをして…

「カオルに恋人が出来たって言ったよね?」

「うん。どうだ?アイツは今度こそ幸せになれそうか?」

ハルさんが帰ってくると
アタシは病院に行ったことは話さずにカオルの話をした。

「それが片思いだった。」

「え?あのカオルが?
アイツに惚れない女もいるんだな。」

「ここにいるけど…」

「嘘つけ…何回も惚れたクセに…」

ハルさんはそんなことも平気で言えるようになった。

「ジュン…今夜は妊活しよう。」

ハルさんはアタシの耳元で囁くとシャワーも浴びないで
アタシを抱き上げてベッドに運んだ。

「ハルさん、食事は?」

「今夜はジュンを食べる。」

「お風呂は?」

「あとで二人で入ろう。」

今夜のハルさんは珍しく獣モードだ。

いつもならそんなハルさんに何も考えずに身を任せるけど…
アタシは病院で言われたことが頭から離れなかった。

「何考えてる?」

そんなアタシにハルさんが気がついた。

「ハルさん…実はアタシね…病院行ったの。

子供はもう無理かもしれないって言われて…」

ハルさんはアタシを抱く手を止める。

「ごめん…ハルさんの子供…産んであげられないかもしれない。」

そしてハルさんはアタシの身体から離れた。
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