その唇で甘いキスをして…

ママは相変わらず夜の仕事をしていた。

アタシが買い物をして家に戻ると
ママの男がいた。

「ヨウコさんの娘っていうからもっと若いと思ってたら結構いい女だな。

いくつだ?」

なんとなくイヤな予感がする。

この男はあの時アタシに酷い事をした先生と同じ目をしてると思った。

アタシは質問にも答えず部屋に入ろうとすると
いきなり男に羽交い締めにされた。

「離婚したんだって?
淋しいだろ?」

男に胸を触られて
こわくて堪らなくなる。

その時、アタシの名前を呼ぶ声がして
誰かがアタシをその男から引き離してくれた。

男は逃げるように出て行った。

迎えに来てくれたのはハルさんだった。

「ハルさん…ハルさん。」

アタシはハルさんの胸で泣いた。

「お母さんから電話貰ったんだ。

思った通りだったな。

同居してる男がお前に手を出すかもしれないから早く迎えに来いって言われた。」

アタシはハルさんの車に乗って都内まで帰った。

「ごめん。こんなとこまで…」

「驚いたよ。カオルにもジョウにも頼らなかったんだな。

カオルはともかくジョウには頼ると思った。

お母さんが電話してくれなかったらどうなってたと思う?」

アタシはまだ怖くて震えていて
ハルさんはそっと手を握ってくれた。






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