その唇で甘いキスをして…
別居と浮気と離婚と…
一人で考えてみろなんて言われても
どうしたらいいかわからない。

アタシはハルさんに愛されようと必死になった。

「ハルさん…一人になりたくない。」

そう言ってハルさんの身体にキスをする。

ハルさんはアタシを抱き上げて

「色仕掛けか?」

と今度はハルさんがアタシにキスをする。

「したくなったら逢いに来い。」

「ハルさんがしたくなったら?」

「逢いに行くよ。」

「別居は確定なの?」

「うん…

お前と一緒にいると…

嫉妬で俺はおかしくなる。

そういう自分が情けないし…

そんな自分に疲れてる。

お前もオレの干渉にうんざりしてるだろ?」

ハルさんは泣きそうなアタシの顔を
快楽を与えて歪ませる。

「離れ…たくない…」

「…オレも…離したくないよ。」

ハルさんはすごく残酷だ。

アタシを抱きながらこんな話をするなんて…

自然と涙が溢れて来る。

その涙が気持ちよすぎてなのか
悲しくてなのかもわからない。

もう何も考えられなくなって
無意識にハルさんの名前を呼び続ける。

ハルさんはそんなアタシを抱きながら言った。

「お前はオレのモノなんだ。

だから許せない。」

そんな冷たいことを言われても
アタシの身体はハルさんの身体を欲しがって動いてしまう。

頭が真っ白になって思考が停止する。

それはハルさんも同じで
アタシたちは本能のまま動く
まるで獣みたいだった。

この瞬間が終われば
アタシたちは別居に向けて離れてく。

だから…終わるのが怖くて
ハルさんが果てないようにアタシは途中で何度も身体を引いた。

ハルさんはそれがわかっていて何度もアタシを逃した。

アタシたちはその夜長い時間そうしていた。



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