クールな御曹司にさらわれました
「おまえの父親のせいで、うちの親父の権威が失墜したとしよう。折しも、俺の友人であるアラブの実業家マヒドがエネルギー資源部門で、業務提携を求めてきている。業務提携を締結させれば、格好として一勝一敗の戦績となる」

「それで、なんで私の嫁入りになるんですか!?」

「マヒドは日本人の妻を探している。大和撫子の鏡のような、夫をたてるしとやかなジャパニーズを紹介してほしいという。それが、業務提携への条件のひとつだ」

そこまで言って、羽前尊は私をじろじろと見る。頭のてっぺんからつま先まで。

「うん、合格だ。日本人らしいのっぺりした顔、華奢ではないが着物が似合いそうななで肩と低身長、びくびくした表情もしとやかに見えなくもない」

「いやいやいや!」

「第四夫人だが、マヒドはイイ男だからな。妻は平等に扱うぞ」

「第四てー!!」

とんでも条件を投げてきやがったと思ったら、本妻ですらなかったー!!
羽前尊は冷淡な瞳をわずかに笑みの形に歪める。口元はそのままだから笑っているようには見えない。

「人質という意味がわかったか?おまえはこの家に済み、24時間父親からの連絡を待て。仕事は行かせてやるが、いつでも俺に連絡をとれる体制でいろ」

「家に?住む?え?は?」

「理解力が悪くて心配だが、さらに花嫁修業もしてもらう。父親が見つからなかった場合は砂漠と石油の国に嫁入りだからな。立派な日本人妻に教育してやろう」

「意味がまったくわかりません!」

さすがに私も怒鳴り返す。さっきから、言いたい放題決められまくってますけど、それほど簡単に頷ける内容じゃない!!
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