クールな御曹司にさらわれました
「お父さん、もうやめて」
「頼む!!俺にできることは何でもするから、妙だけは許してやってくれ!!頼む!!お願いします!!」
私ははたと止まった。
父は怒鳴るように言う。
「死んだ母ちゃんと妙にはどれだけ苦労をかけたかわからない。本当に俺ってろくでなしなんだよ。でも、そんな俺にも夢があるんだ。妙が好きな男と幸せになるって夢が。俺と母ちゃんの孫をたくさん産んで、にこにこ笑っててくれるって夢があるんだ!!」
「……彼女なら大丈夫だ。もうあなたに関わって金で苦労することもない。産油国で最上級の暮らしができるし、あなたの孫は世界でも稀な富豪の一族に生まれるだろう」
「それで妙は幸せなのか!?」
尊さんの怜悧な返しに、父が激高して叫ぶ。
父に怒る資格なんかない。悪いのは父だ。
だけど、父は怒っている。ひとりの父親として娘の幸せのために怒っている。
こんなクズ男なのに、……不覚にも私はそのことが嬉しいと思ってしまった。
「妙が見たこともない金持ちと、日本とは似ても似つかねえ国で、四番手の女として結婚するのが幸せなのか!?俺はいやだ。妙が笑えなくなるのは嫌だ!妙に会えなくなるのは嫌だ。金持ちのハーフの孫なんかいらねえや!妙には妙の幸せがあるんだ!!あんたや俺がどうにかできることじゃねえんだよ!!それを恩着せがましく言うなっ!!」
顔を上げて、尊さんを睨みつける父。
私は予想外にもこぼれてしまった涙を拭った。
本当にどうしようもない人。自分で招いた事態に、必死で怒って、泣きそうな顔をして。
どうしようもないこんな男だから、母は守りたかったんだろうな。母は死ぬまで父を恨んでなんかいなかったもの。
「頼む!!俺にできることは何でもするから、妙だけは許してやってくれ!!頼む!!お願いします!!」
私ははたと止まった。
父は怒鳴るように言う。
「死んだ母ちゃんと妙にはどれだけ苦労をかけたかわからない。本当に俺ってろくでなしなんだよ。でも、そんな俺にも夢があるんだ。妙が好きな男と幸せになるって夢が。俺と母ちゃんの孫をたくさん産んで、にこにこ笑っててくれるって夢があるんだ!!」
「……彼女なら大丈夫だ。もうあなたに関わって金で苦労することもない。産油国で最上級の暮らしができるし、あなたの孫は世界でも稀な富豪の一族に生まれるだろう」
「それで妙は幸せなのか!?」
尊さんの怜悧な返しに、父が激高して叫ぶ。
父に怒る資格なんかない。悪いのは父だ。
だけど、父は怒っている。ひとりの父親として娘の幸せのために怒っている。
こんなクズ男なのに、……不覚にも私はそのことが嬉しいと思ってしまった。
「妙が見たこともない金持ちと、日本とは似ても似つかねえ国で、四番手の女として結婚するのが幸せなのか!?俺はいやだ。妙が笑えなくなるのは嫌だ!妙に会えなくなるのは嫌だ。金持ちのハーフの孫なんかいらねえや!妙には妙の幸せがあるんだ!!あんたや俺がどうにかできることじゃねえんだよ!!それを恩着せがましく言うなっ!!」
顔を上げて、尊さんを睨みつける父。
私は予想外にもこぼれてしまった涙を拭った。
本当にどうしようもない人。自分で招いた事態に、必死で怒って、泣きそうな顔をして。
どうしようもないこんな男だから、母は守りたかったんだろうな。母は死ぬまで父を恨んでなんかいなかったもの。