クールな御曹司にさらわれました
尊さんの表情は変わらなかった。冷たい悪魔的な美貌は一切揺らがない。
しかし、尊さんから返す言葉がでてこない。もう言うべきことはないってことかな。このまま、加茂さんか誰かを呼んで、父を連行するのかもしれない。
「真中玄之丞氏、あなたの言い分はこうだ。借金のことはともかく、真中妙には幸せになる権利がある」
随分間をおいて、尊さんが言った。
「真中妙が遠くに嫁入りすることも嫌であると」
「……ああ、そうだよ!」
尊さんがくるりと私に顔を向けた。あまりに突然こっちを見たので私も怯む。
なんでしょうか?また変なことを考えついたんでしょうか、その優秀な脳みそで。
「気が変わった」
呟くような声だった。
「真中妙は俺が貰い受ける」
私と、父の口から、声にならない声が漏れた。
この男……今、なんつった?????
「真中妙は、俺の妻とする。さすれば都内の羽前邸に嫁入りだ。遠く離れることもあるまい。日本は一夫一妻制だから、真中妙は当然正妻となるし、俺は愛人を囲う趣味もない」
「ちょ、ちょ……待った」
「尊さん……あの……ちょっと」
父娘がまったく理解できずあわあわと会話を遮ろうとするけれど、御曹司のプラン説明は止まらない。
「俺の妻となるための教育は充分にしよう。いずれはレオマーケットグループトップの細君となるわけだ。どこに出ても恥ずかしくない女にしてやる。真中玄之丞氏は、グループ企業のいずれかに籍を置いてもらい、借金返済に努めてくれ。こちらもあなたが貸し付けた先に回収に回るから、退職時期からプラス十年ほど真面目に働けば返済できて退職金と年金がつくぞ。条件としては申し分ないだろう」
しかし、尊さんから返す言葉がでてこない。もう言うべきことはないってことかな。このまま、加茂さんか誰かを呼んで、父を連行するのかもしれない。
「真中玄之丞氏、あなたの言い分はこうだ。借金のことはともかく、真中妙には幸せになる権利がある」
随分間をおいて、尊さんが言った。
「真中妙が遠くに嫁入りすることも嫌であると」
「……ああ、そうだよ!」
尊さんがくるりと私に顔を向けた。あまりに突然こっちを見たので私も怯む。
なんでしょうか?また変なことを考えついたんでしょうか、その優秀な脳みそで。
「気が変わった」
呟くような声だった。
「真中妙は俺が貰い受ける」
私と、父の口から、声にならない声が漏れた。
この男……今、なんつった?????
「真中妙は、俺の妻とする。さすれば都内の羽前邸に嫁入りだ。遠く離れることもあるまい。日本は一夫一妻制だから、真中妙は当然正妻となるし、俺は愛人を囲う趣味もない」
「ちょ、ちょ……待った」
「尊さん……あの……ちょっと」
父娘がまったく理解できずあわあわと会話を遮ろうとするけれど、御曹司のプラン説明は止まらない。
「俺の妻となるための教育は充分にしよう。いずれはレオマーケットグループトップの細君となるわけだ。どこに出ても恥ずかしくない女にしてやる。真中玄之丞氏は、グループ企業のいずれかに籍を置いてもらい、借金返済に努めてくれ。こちらもあなたが貸し付けた先に回収に回るから、退職時期からプラス十年ほど真面目に働けば返済できて退職金と年金がつくぞ。条件としては申し分ないだろう」