クールな御曹司にさらわれました






翌朝、見慣れない天井をが目に入った時、私が感じた落胆を想像してほしい。

「夢じゃなかった」

金持ち社長な御曹司にさらわれました。ええ、さらわれましたとも。
夢じゃなかったんだね。悪夢ならよかった。

昨夜、わけもわからないうちにこの部屋に押し込まれ、メイクを落としたり、シャワーを浴びたりと言う最低限の作業を終えると就寝させられた。というのも、それら全部、この屋敷のお手伝いさんたちの監視の元で行われたからだ。包囲網だよ、もう!

今だに信じられないけど、このままいくと私、砂漠と石油の国に第四夫人としてお嫁入りらしい。嘘でしょ……一夜にして運命が変わっちゃったよ。

この環境から逃げ出すことは難しそう。
父親を差し出せばって言うけど、この組織の人たちが見つけられないヤツを娘だからって見つけられるかなぁ。あああ、無理っぽい気がしてる。

ひとまず、のろりと身体を起こす。
身に着けているのはTシャツだけ。だって、着の身着のまま連れてこられたんだもん。
もし、逃げだすことがままならなければ、どうにか身の回りのものだけは自宅から運んでいいか許可をもらおう。あの悪魔に。
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