クールな御曹司にさらわれました
加茂さんの車で帰宅し、お風呂に入ってしまう。尊さんとふたりで使うこの浴室も、考えてみれば結構恥ずかしいものだよなぁと思う。ごはんもふたりだし、同じお湯に浸かってるなんて今更だけど変な関係。新婚……なんて考えないけどルームメイト程度の存在ではあるよね。うん。
お風呂から自室に戻ろうと廊下をぺたぺた歩いていると、声をかけられた。

「妙さん」

「お母さん」

尊さんのお母さんがそこにはいた。温かそうなガウンを羽織って部屋着姿だ。

「ふふ、こっちまで遊びにきちゃった。美味しいはちみつをいただいたの。これでハニーミルクでもしない?」

「いいですね!って……いいんですか?」

「なぜ?」

「いや……えっと」

尊さんはご両親に私のことを話しているわけだけど、私からしたらまだ尊さんの気持ちに応えていないわけで……そんな中途半端な関係で息子さんの彼女ヅラしていいもんかと……。
でもそれをそのまま伝えられない。

「尊はいないんでしょ?うるさいのがいなくてちょうどいいわ。ふたりで楽しみましょう」

お母さん、すっごく気さく。
ダイニングには若いお手伝いさんがひとりいて、私とお母さんの要望を叶えてくれた。ミルクパンでことこと温められたミルクに黄金色のはちみつ。

大きめのマグカップに入れられたハニーミルクを囲み、私とお母さんはほおとため息をついた。
もう、これって本能的にほっとしちゃうシロモノだよ~。
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