クールな御曹司にさらわれました
「……そうなんですか。今、心臓の方は……」
「きちんとお薬を飲んで、定期的に主治医の先生に見てもらってるわ。疲れを溜めなければあと二十年か三十年は動いてくれそうよ」
お母さんは明るく笑う。
「尊のお嫁さんだけが心配だった。あのとおり難しい子でしょう?私があまり構ってやれなかったせいなんだけどね。妙に天才肌で、完璧主義で人の気持ちにうとい」
さすがお母さん、よく見てらっしゃる。私は苦笑いするしかできない。
「元気で活発で、生きるパワーに満ち溢れたお嬢さんにあの子をお願いしたいって思ってた。一生のパートナーだから、おとなしくて上品なお嬢さんじゃなくて、あの子の毒気に負けない強い子がいいって。そしたら、尊は初めて恋をしたとあなたを紹介するじゃない。私嬉しくなっちゃった」
「あの……父のことは……」
「うちの主人、玄之丞さんが大好きなのよ。私もわかるわ。娘のあなたは苦労しただろうし、主人も社会的に大変な思いをしただろうけれど、憎めない人なのね」
お母さんは言葉を切った。それからマグを置き、まっすぐ私を見つめる。
「きちんとお薬を飲んで、定期的に主治医の先生に見てもらってるわ。疲れを溜めなければあと二十年か三十年は動いてくれそうよ」
お母さんは明るく笑う。
「尊のお嫁さんだけが心配だった。あのとおり難しい子でしょう?私があまり構ってやれなかったせいなんだけどね。妙に天才肌で、完璧主義で人の気持ちにうとい」
さすがお母さん、よく見てらっしゃる。私は苦笑いするしかできない。
「元気で活発で、生きるパワーに満ち溢れたお嬢さんにあの子をお願いしたいって思ってた。一生のパートナーだから、おとなしくて上品なお嬢さんじゃなくて、あの子の毒気に負けない強い子がいいって。そしたら、尊は初めて恋をしたとあなたを紹介するじゃない。私嬉しくなっちゃった」
「あの……父のことは……」
「うちの主人、玄之丞さんが大好きなのよ。私もわかるわ。娘のあなたは苦労しただろうし、主人も社会的に大変な思いをしただろうけれど、憎めない人なのね」
お母さんは言葉を切った。それからマグを置き、まっすぐ私を見つめる。