クールな御曹司にさらわれました
「お二人分のお弁当の材料ならなんでもございますから、自由に作ってくださいな」

「いえ、ホント、おにぎり程度でいいんです!すみっこを使わせてもらえれば」

厨房からシェフのおじさんも顔を出す。

「尊様のお小さい頃は、よく弁当に甘い卵焼きを入れてほしいと言われましたなぁ。よろしければ、ご指南いたします」

「それがいいですよ、真中様!」

お手伝いさんとシェフに盛り上げられ、私は非常に簡素だけど定番のお弁当を作り上げることとなった。卵焼き、ミートボール、ウィンナー、ブロッコリーにミニトマト。大きなおにぎりがふたつ。

どこから取り出してきたのか、お手伝いの良枝さんがハートのピックをウィンナーに差そうとしたので、それだけは勘弁してもらった。
可愛すぎるもん。いかにも張り切って作った彼女のお弁当になっちゃうもん。


準備万端。
さらに私は朝食の席で尊さんにジーンズがチノパンをはいてデートに来るように要請した。
普段のぴしっとした格好は、今日のプランに不向きだから。

そう、本日のデートは私プロデュースの予定。
尊さんにデートに誘われた時点で、そう決めていた。

正直に言えば、私はまだ尊さんのことを好きになれるかわからない。
だって、出会いが出会いだし、微妙にまだ立場が弱いし。
こんな関係で、いきなり好きになれとか言われても無理でしょ?無理ですよっ!
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