クールな御曹司にさらわれました
「真中さんはお肌が白いから、こういう色が似合うかなと思いまして。でも、昨夜急に尊社長から用意しろなんて命令を受けて私もちょっと焦りましたわ」

「えっと、あの……以前どこかでお会いしましたっけ?」

「うふふ、お会いするのは今が初めてですが、あなたのことは古くから知っている気分です。あなたのことを尊社長の命令で調べたのは私ですよ?」

その告白に私はのけぞった。
ぎゃ!監視役どころか、かなり拉致の中枢にいる人じゃん!敵側の人間じゃん!

おののく私を意にも介さず、御台寺さんが鏡台にずらりとメイク道具を並べた。見たことないものもいっぱいある。

「メイク道具は足ります?」

「あ、はい。私あまり化粧をしないので。こんなに必要ないですし、10分もかからないと思います」

メイクなんか、日焼け止めのベースクリームとファンデーション。あとは眉毛を描いておしまいだ。正直に言えば、5分もかからないけれど、つまらなくも見栄を張って10分とか言ってみる。ご用意いただいたものは三分の一も使用しない予定だ。

< 16 / 193 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop