クールな御曹司にさらわれました
「妙、盗聴の可能性があるから、おまえは居場所について一切口にするな。この電話を切ったら、すぐ移動するように」
父は固い声で指示を出した。
その声音に、私はごくりと生唾を飲み込む。やはり、大きな騒動になっているのだ。
「羽前家は嫡男の婚約者が消えたとてんやわんやだ。捜索網が広がっている。昨夜、おまえのGPSが捨てられた地点で、連中はおまえを見失っているが、この電話は場所の手がかりになってしまう。やつらはそのくらい探査できるだろう。俺が事前に指示したとおりに動け」
「うん、わかった」
私はきっと眉を張り、父の声に頷く。
逃げると決めたのは私だ。大騒ぎも覚悟のうえ。
電話を切ると、私は始発をやめ、タクシーに再び乗り込んだ。
父の指示では、公共交通機関は一番到着が早いが、逆に逃げ場の選択肢が減るとのこと。電話から場所が特定されて始発が動く時間となったら、行先に人を先回りさせるかもしれない。
近くの駅から在来線に乗り、掛川で新幹線に乗り換える。始発からすでに何本も過ぎている。攪乱になればいいけれど。
目指すは新大阪だ。
父は固い声で指示を出した。
その声音に、私はごくりと生唾を飲み込む。やはり、大きな騒動になっているのだ。
「羽前家は嫡男の婚約者が消えたとてんやわんやだ。捜索網が広がっている。昨夜、おまえのGPSが捨てられた地点で、連中はおまえを見失っているが、この電話は場所の手がかりになってしまう。やつらはそのくらい探査できるだろう。俺が事前に指示したとおりに動け」
「うん、わかった」
私はきっと眉を張り、父の声に頷く。
逃げると決めたのは私だ。大騒ぎも覚悟のうえ。
電話を切ると、私は始発をやめ、タクシーに再び乗り込んだ。
父の指示では、公共交通機関は一番到着が早いが、逆に逃げ場の選択肢が減るとのこと。電話から場所が特定されて始発が動く時間となったら、行先に人を先回りさせるかもしれない。
近くの駅から在来線に乗り、掛川で新幹線に乗り換える。始発からすでに何本も過ぎている。攪乱になればいいけれど。
目指すは新大阪だ。