クールな御曹司にさらわれました
「私が父を探すことと、私を海外のご友人にお嫁に出すことが平行していることがどうにも納得できません。しかも、これほど手間をかけて、何にもできない貧乏娘を教育する理由がどこにあるんですか?」

さっきの怒りまかせの発言じゃ通じない。だけど、どうしてもここだけは確認しておきたい。
だって、不自然でしょう?お友達の妻に、私みたいなの送り込む?

「要旨を言ってみろ。英語で、と言いたいところだは、今日は日本語で許してやる」

尊さんはどこまでも偉そうでふてぶてしく言う。

「父のことは一回棚上げしますが、ご友人に妻として推奨するには私はあまりに不適格じゃないかと」

尊さんが馬鹿にしたようにふっと笑った。

「そんなことか。タマ、おまえでなんの問題もない」

「どうしてですか!もっと気品も教養もあるお嬢様のお知り合いはいないんですか?」

「そもそもマヒドの要望がでかすぎるんだ。あいつは大和撫子というものに過度の期待がある。俺も何度かそんな女はいないと説明したが、どうしても理想の大和撫子を妻に迎えたいというんだ。俺も業務提携っていう下心があるからな、どうにかあいつの理想を叶えてやりたい」

尊さんが私を指さす。

「それなら作ってやればいい。理想の日本人妻を。そこで見つけたのがおまえだ、タマ」

「だーかーらー、なんで私なんですか!?」
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