クールな御曹司にさらわれました
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「へー、デートだね」
昼休み、小森とデスクでランチの私はため息をつく。
デートじゃない。マナー講習だ。というか、これをデートと呼ぶなんて許せん。
ちなみにお金のない私と、食にこだわりのない小森はたいていコンビニで買ったものや、家から持参したおにぎりなんかで昼食にしている。毎日、千円くらいのランチなんか行ってらんないッス。
「たぶん、小森が思ってる以上に楽しくないよ」
「でも、高くて美味しいごはんが食べられるよ」
「日常の羽前邸のごはんがバカ美味しいから、他所に食べに行かなくてもいい」
「贅沢者め。羽前邸最高か。……俺が女の子だったら、そのまま御曹司をたらしこんで嫁になるけどな」
小森がさらりと恐ろしいことを言い出した。
想像もつかないというか、身の毛のよだつ発想に私は震えた。
「待って待って、どうやったらそんな思考になるの?あんた、あの地獄の使者な冷徹御曹司を見てないからそんなこと言えるんだよ。絶対、無理。気持ちが通い合う余地ないし、性格の不一致甚だしい」
そうだ、あの羽前尊と恋仲になるなんて恐ろしいこと、……考えるな、発狂しちゃうぞ。