クールな御曹司にさらわれました
「人が精進するきっかけに恥とはとても大事な感情だ。次こそはこんな恥ずかしい想いをしたくないと人間は努力をする」
「こんな騙し討ちみたいなこと、酷い!!私は食事マナー講習だと思ってたのに!」
「何を教え、テストするかは俺が決める。おまえの教師だからな。それに、不測の事態はいつでも起こりうる。備えが必要であると勉強になっただろう」
悔しい。悔しいことにこの自分勝手上から目線男に口ですら勝てない……。
何か一撃、ダメージをと思うのに、何も出てこない。替わりに喉の奥がかーっと熱くなった。
そして頬を熱い塊がぽろぽろと伝う。
「ほお、泣いてるのか。意外だ」
「泣いてません」
否定しつつ、私は泣いていた。
ちょっとやそっとのことじゃ女々しく泣かない自信があった。どっちかといえば、流され諦め受け入れるタチの私。
泣くということは、傷つき納得できないことがあったからってことになる。
自分でもよくわかんないよ。だけど、悔しい。お金に振り回される人生だけど、こんな金持ち男に馬鹿にされるなんて。
「尊さんが嫌いです」
私はしゃくりあげながら、言う。
「私の父は確かに尊さんのお父様を裏切りました。負債を負うのは私の責任かもしれません。でも、あなたみたいな人に、私が生きてきた25年間をおもちゃにされて馬鹿にされる謂れはありません!」
すると、本日始めて尊さんの表情がはっきりと変化した。
それは驚いたような顔。切れ長の目が少し大きくなって、唇がわずかに開いている。
「こんな騙し討ちみたいなこと、酷い!!私は食事マナー講習だと思ってたのに!」
「何を教え、テストするかは俺が決める。おまえの教師だからな。それに、不測の事態はいつでも起こりうる。備えが必要であると勉強になっただろう」
悔しい。悔しいことにこの自分勝手上から目線男に口ですら勝てない……。
何か一撃、ダメージをと思うのに、何も出てこない。替わりに喉の奥がかーっと熱くなった。
そして頬を熱い塊がぽろぽろと伝う。
「ほお、泣いてるのか。意外だ」
「泣いてません」
否定しつつ、私は泣いていた。
ちょっとやそっとのことじゃ女々しく泣かない自信があった。どっちかといえば、流され諦め受け入れるタチの私。
泣くということは、傷つき納得できないことがあったからってことになる。
自分でもよくわかんないよ。だけど、悔しい。お金に振り回される人生だけど、こんな金持ち男に馬鹿にされるなんて。
「尊さんが嫌いです」
私はしゃくりあげながら、言う。
「私の父は確かに尊さんのお父様を裏切りました。負債を負うのは私の責任かもしれません。でも、あなたみたいな人に、私が生きてきた25年間をおもちゃにされて馬鹿にされる謂れはありません!」
すると、本日始めて尊さんの表情がはっきりと変化した。
それは驚いたような顔。切れ長の目が少し大きくなって、唇がわずかに開いている。