クールな御曹司にさらわれました
「一週間ですね!必ず仕上げます!頑張ります!」

にっこり笑顔で、ドスの効いた声。小森が小さく「コッワ」と呟くのが聞こえた。

「ふん、まあ真中は優秀だからな。絶対にできるだろう」

わかりやすくイヤミを吐いて車田課長が去っていく。私は鼻息荒くどすんと席についた。またしても小森が声をかけてくる。

「手伝えなさそうでごめんね」

「大丈夫だよ」

「真中、やっぱちょっと変わった」

「何が?」

「闘う意志を感じる」

なんのこっちゃと私は首を傾げた。
まずは午前中のうちにデイリーの仕事を片付けてしまおう。








「遅い」

私が都内一等地にそびえる羽前邸に戻ってきたのは20時45分。
ダイニングに入ってぎょっとする。尊さんが優雅にコーヒーを飲んでいるのだ。
お早いお帰りで~。

っていうか、今日はお花の日だから、この人が早く帰ってくる必要ないのに。
いや、普通に帰宅して私が文句つけることもないか。そもそも尊さんちです、ココ。

「メシを食う時間もないだろう。どこをほっつき歩いてたんだ」

「ちょっと、……仕事が忙しくてですね」

「おまえの会社の一般職がそんなに遅くなるわけがないことは調査済みだぞ」

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