クールな御曹司にさらわれました
おっそろしいこと言い出したぞ、この人!慌てた私に、尊さんが心底馬鹿にしたように言う。
「理不尽に声をあげないのは美しくないな」
「お金に物を言わせるのも美しくないです!」
私の口調が存外強く、尊さんが黙る。
「私が声をあげないのはくだらない言い合いに終始したくないからです。こんなことは何でもない。私が全力で取り組めば済む問題ですから!!」
うう、私ってば偉そうに啖呵を切ってる。あとで思い返して恥ずかしくなるヤツだ、これ。でも、最後まで言いきっちゃえ!
「解決の手段にお金を持ってくるのは、あなたには普通かもしれませんが、私は嫌いです」
「じゃあ、俺が手伝えばいいんだな」
思わぬ言葉か降ってきた。
私が何か言う前に尊さんは私をどけ、オフィスチェアにかけるとパソコンに向かい合う。
「尊さん!」
「まとめは俺がやる。おまえは会議資料の体裁を整える仕度をしろ。表紙や目次なんかレイアウトも考えておけ。安心しろ。優秀だぞ、俺は」
そんなことは心配していないけれど、さすがに無関係の尊さんを巻き込むのは申し訳ない。
「尊さん、本当に大丈夫です。私ひとりでできます」
すると、長い指先が私の鼻のてっぺんをぎゅむと押した。
見れば、尊さんがわずかに微笑んでいる。悪戯を企んでいる小学生みたいな顔だ。
「理不尽に声をあげないのは美しくないな」
「お金に物を言わせるのも美しくないです!」
私の口調が存外強く、尊さんが黙る。
「私が声をあげないのはくだらない言い合いに終始したくないからです。こんなことは何でもない。私が全力で取り組めば済む問題ですから!!」
うう、私ってば偉そうに啖呵を切ってる。あとで思い返して恥ずかしくなるヤツだ、これ。でも、最後まで言いきっちゃえ!
「解決の手段にお金を持ってくるのは、あなたには普通かもしれませんが、私は嫌いです」
「じゃあ、俺が手伝えばいいんだな」
思わぬ言葉か降ってきた。
私が何か言う前に尊さんは私をどけ、オフィスチェアにかけるとパソコンに向かい合う。
「尊さん!」
「まとめは俺がやる。おまえは会議資料の体裁を整える仕度をしろ。表紙や目次なんかレイアウトも考えておけ。安心しろ。優秀だぞ、俺は」
そんなことは心配していないけれど、さすがに無関係の尊さんを巻き込むのは申し訳ない。
「尊さん、本当に大丈夫です。私ひとりでできます」
すると、長い指先が私の鼻のてっぺんをぎゅむと押した。
見れば、尊さんがわずかに微笑んでいる。悪戯を企んでいる小学生みたいな顔だ。