クールな御曹司にさらわれました
一億がポケットマネーで出てくるってどんな人よ。あ、レオマーケットグループの総帥か。なるほど、そのくらいの地位にたどり着くと、お金の価値観はだいぶ違うのね。
少なくとも私とは並行世界を生きてんのかってくらいレベルが違う。パラレルワールドの住人だよ、まったく。
「親父と真中玄之丞の作った会社はレオマーケットのグループ企業の扱いとなっている。わかるか?」
「わかりま……せん」
「起業への出資はグループの資産から行われている。名前だけで実態のない起業に親父の独断で出資したとなると、親父の権勢に関わる。だから、おまえの父親には何があっても出てきてもらわなければならないんだ。立ち上げた会社の解散と、借金扱いの一億円の返済計画を出してもらわなければならない。期限は次の株主総会の六月末」
今は四月の末……二ヶ月以内に父をとっつかまえて、謝罪させて、一億円の返済計画を提出しなければならないのだ。
「えーと、……父が申し訳ありません」
ひとまず私は頭を下げた。
本日私が拉致された理由はわかった。そして、たいして力になれないばかりか、レオマーケット総帥一家の窮状まで聞いてしまった。
元凶の娘として謝る以外何ができるだろう。
「本当にご迷惑をおかけして、なんと謝罪していいかわからないです。……どうか父を見つけましたら、煮るなり焼くなりお好きになさってください。警察沙汰にされないだけで充分ありがたいです」
背を丸め頭を下げて言うと、頭にどすんという衝撃。
次にみしみしと音をたててこめかみが圧迫される。
「ちょ……あた、たぁぁ」
少なくとも私とは並行世界を生きてんのかってくらいレベルが違う。パラレルワールドの住人だよ、まったく。
「親父と真中玄之丞の作った会社はレオマーケットのグループ企業の扱いとなっている。わかるか?」
「わかりま……せん」
「起業への出資はグループの資産から行われている。名前だけで実態のない起業に親父の独断で出資したとなると、親父の権勢に関わる。だから、おまえの父親には何があっても出てきてもらわなければならないんだ。立ち上げた会社の解散と、借金扱いの一億円の返済計画を出してもらわなければならない。期限は次の株主総会の六月末」
今は四月の末……二ヶ月以内に父をとっつかまえて、謝罪させて、一億円の返済計画を提出しなければならないのだ。
「えーと、……父が申し訳ありません」
ひとまず私は頭を下げた。
本日私が拉致された理由はわかった。そして、たいして力になれないばかりか、レオマーケット総帥一家の窮状まで聞いてしまった。
元凶の娘として謝る以外何ができるだろう。
「本当にご迷惑をおかけして、なんと謝罪していいかわからないです。……どうか父を見つけましたら、煮るなり焼くなりお好きになさってください。警察沙汰にされないだけで充分ありがたいです」
背を丸め頭を下げて言うと、頭にどすんという衝撃。
次にみしみしと音をたててこめかみが圧迫される。
「ちょ……あた、たぁぁ」