クールな御曹司にさらわれました
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どのくらい寝たかというとおそらく一時間くらいなもんで、私は眠たい目をこすり重たい身体を引きずって起きだした。
ダイニングに入ると尊さんはもう出社した後。たぶん、彼は寝ていないだろう。すごい。体力というより精神力がすごい。
そして、私はどさくさにまぎれて彼にきちんと御礼を言っていなかったことに気づく。今日の仕事が無事に終わったら、あらためて御礼しなきゃ。
そう、まずは目先の会議。
尊さんが手伝ってくれたおかげで冊子のかたちまでできている。
食事を食べ終わると、加茂さんが玄関で待っていてくれた。
「尊様に申し付かっております。今日はお送りします」
「そんな、悪いです。というか、出勤くらいひとりでできます」
「寝ぼけてころんで怪我でもされたら商品価値が下がる……尊様よりご伝言でございます」
商品価値って、あんにゃろー。やっぱむかつくわ、御曹司。
でも、車なら少し休める。配慮してくれた気持ちはありがたくいただくことにしよう。
加茂さんの運転で出社すると、会社からちょっと離れた路地で降ろしてもらう。目立ちたくないもん。オフィスに着くと、車田課長が苦虫を噛み潰したような顔をしていた。どうやら、私が作った資料を確認したようだ。
「課長、できました。ご確認ください」
なんて一応言うけれど、文句のつけられない内容になっているはず。
なにしろ、尊さんも手伝ってくれたもん。