ダンディ・ダーリン「完璧な紳士に惑い、恋焦がれて」
運ばれてきたチーズケーキを口に入れながら見ると、蓮見会長がフォークでケーキを切り分けていた。
スーツ姿にはそぐわない、イチゴの乗ったショートケーキに、ギャップを感じて、
だけどそれさえも、目を奪われてしまう。
「…うん? 何を見てるんだ?」
「……何も」
ギャップに萌えるだなんて、言えるわけもないしと、目をそらす。
……ドキドキとしてくるけど、この人には息子さんも奥さんもいるんだから……と、思う。
「……まだ、会社には戻られなくていいんですか?」
自分の気持ちを切り替えるつもりで尋ねると、
「ああ、かまわない。私は今は会長で、実質的な経営権を握っているのは社長だからな」
答えて、
「息子はまだ若いが、経営陣がしっかりと周りを固めているしな」
紅茶を口に含む。
「……息子さんって、おいくつなんですか?」
「25歳だ。会社を早くから知ってもらいたかったんで、若い内に社長に就けたんだ」
「…25歳って……おいくつの時の息子さんなんですか?」
会長は、確か41歳だって言ってたはずだけどと思う。