ifの奇跡
「お前が酔いすぎなだけ。俺らはいつもと変わんねぇよ、なあ?」

「うん…そうだよ」


同意を求めて来た冬吾に形ばかりの返事を返した。


「俺そんなに酔ってねぇし…ていうか、冬吾もあっちではあんまり飲んできてねえの?」

「ビール2杯だけ飲んで来た。哲平も次は逃げられねぇからな。俺1人で今日は勘弁してもらったけど次はお前が行けよ。」

「分かってるって。でも冬吾もよく早く抜け出せたよな。人気者の冬吾くんがいなくなって今頃女子たちはガッカリしてんだろうな。」

「そんな訳ないだろ…何言ってんだよ。」


2人の会話から冬吾は大学の人達との飲み会から抜けて来たようだった…。


「飲み会だったの?」

「うん。今日さ、サークルの飲み会と被ってて。冬吾の方は女子達に捕まったんだよな。で無理やり連行みたいな」


冬吾の代わりに哲平君が答えてくれた。


「ふーん、そうだったんだ…。ごめんね。私達のためにサークルの飲み会抜け出させちゃって。」

「いや…別に元々サークルの飲み会には参加するつもりじゃなかったから。こっちのが先約だったし」

「さっきの彼…女さんも同じサークルの人?」

「え……?」


冬吾がそんな事を聞いた私に驚いたような視線を向けてくるから、勢いで聞いてしまった事を後悔した。

しかもさりげなく “彼女” なんて探ってるみたいだ。

ゴメン…今のは忘れてって言おうとした時


「彼女じゃねぇし」


冬吾が発したその言葉に酷く安心したと同時に、じゃあ何でキスしてたんだろうって疑問も湧いて来たけど今は彼女じゃないという事実にだけ目を向ける事にした。

哲平君は隣の美沙と話してて私たちの会話の内容は聞こえていないようだった。
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