Spider
「じゃあ、キスしてみますか?」

云ってる意味がわからない。
だっていま、キスしたよね?
そんな私の疑問を無視して、彼に唇を塞がれた。
それはさっきの軽くふれるだけのとは違って……。

「……はぁーっ」

唇が離れると同時に、自分の口から落ちる深い吐息。
思わず掴んでいた彼のシャツを手放すと、やっぱり彼はにっこりと笑った。

「嫌、でしたか?」

ふるふると首を振る。
嫌、とかそんな気持ちはなくて。
むしろ……もっとして欲しい。
あたまを掠めた思いを慌てて否定する。
だって私は、まだ。

「じゃあ、これは?」

彼の声が耳元で聞こえる。
後ろから腕の下に入った手が、そっと脇を撫でる。

……そして。

身八ツ口から彼の手が入ってきた。
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