キミノテノヒラノウエ。
酔った薫ちゃんは私に掴まれた手を不思議そうな顔で見上げ、

「なんで、俺の手をにぎってる?
…俺はてまりと暮らそうって決めた時、てまりが俺を好きにならなかったら、ちゃんと手を離そうって思ってた。
でも、…一緒にいるうちにどんどん好きになって、離れたくなくて、好きだって伝えて抱きしめた。
でも、…最近、てまりはおかしいよな。
わかってたけど、見ないふりをしてた。
…好きな男が出来たんだよな。
好きな男に合わせて下着まで買うなんて…
俺は今てまりの手を離さなければ、
気がおかしくなる。
嫉妬で、体まで焼け尽きそうだ。」と私の手を振り払って、顔を覆って苦しそうに言った。

私はあっけにとられるけど、この誤解は絶対に解かないと…

「…私が好きなのは薫ちゃんです。」

とラグに転がったままの薫ちゃんの体に抱きついて、必死になって言う。

「…」薫ちゃんが私をボンヤリみる。

「最近おかしかったのは、いつもの薫ちゃんなのにすごく、ドキドキして…か、薫ちゃんの本当の恋人になりたいのに、上手く言えなくて…」

「セクシーな下着は?」

「…薫ちゃんの誘惑用です。」と私が顔を赤らめながらも薫ちゃんの瞳を見下ろすと、

「嘘だろー?」と薫ちゃんは驚いた顔のまま、私を見つめている。
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