キミノテノヒラノウエ。
「嘘じゃないもん。」と言うと、

「あの下着、俺の前で着るのか?」とポカンとした顔だ。

「き、着るよ。そのうち。…たぶん。」

「…そうか。」

と薫ちゃんは突然クスクス笑い出す。


「なんで笑うの?」

「…いや、嬉しくて」とプッと吹き出し、うつ伏せになってゲラゲラと笑った。

私もおかしくなって

「酔っ払らい。…連絡もしないで遅くなった上に、変な言い掛かりつけないでよ。」と怒った声を出すと、

「うん。ごめん。
てまりの様子が変だったから、
つい、余計な心配した。
でも、良かった。」

ああ、良かった。とまた、呟いて、薫ちゃんは目を閉じてしまった。

あ、こら、寝ないで。

「薫ちゃん、起きて!薫ちゃん!」

と何度おこしても、ちっとも起きない。

もう!!

床は暖房が入っていて暖かいけど、ラグだけじゃ、体が痛くなりそうだ…。
私は薫ちゃんのベッドから掛け布団を剥がして持ってきて薫ちゃんの上にかける。


気持ち良さそうに寝息を立てて寝ている薫ちゃんの横顔をジッと見つめる。
いつもは随分と余裕のある態度なのに…
勘違いして、酔っ払うなんて…

でも
薫ちゃんに心配かけちゃったかな。
私の態度がおかしかったのは、確かだしね。

少し、寝たら、もう一度起こしてみよう。

私はスマホでタイマーを2時間にセットし、
薫ちゃんの布団にもぐりこんで、薫ちゃんにくっついて眠る事にした。



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