キミノテノヒラノウエ。
出来るだけ優しくする。

と言って始まった初めての体験は
痛みを伴っていても、それでも愛されている。と思わせてくれるものだった。

薫ちゃんは何度も『愛してる。』と囁き、身体の隅々まで、唇を付けた。
柔らかい唇や、舌の感触で私は何度も我慢できない声をあげ、
薫ちゃんに与えられる刺激に身体を震わせ
幾度も身体が浮き上がり、目の前が白くなる。
私の声が止まらなくなる頃、
薫ちゃんはわたしの身体をしっかり抱きしめ。
「てまりとひとつになりたい。」と言って、身体を繋げ、
私が少しづつ痛みに慣れてくると、ゆっくり、徐々に大胆に動き出し、
私に身体が溶け合うような快楽をしっかり教え込んで
私の意識が遠のく頃、
私の腰を強く抱えて、薫ちゃんも私の上に倒れこんで動きを止めた。

薫ちゃんは荒い息を吐きながら、
「てまりは俺だけのものだよ。」と鎖骨の下にキスマークを付け、
満足そうな声を出して、抱き合ったまま眠りにつく。

私はうなずいたつもりだ。



私は薫ちゃんのもので、薫ちゃんは私のもの。

薫ちゃんはそう言いながら、私を抱いた。

恋人になるってそう言う事なんだ。

と急激に薄れていく意識の中,
薫ちゃんの腕の中で、切れ切れにそう思っていた。
< 78 / 96 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop