イケメンなんか大嫌い
「~~~~……」
眉を下げ立ち尽くしているわたしに、奴は冷ややかな視線を投げて来た。
「おら、行くぞ」
さっさと歩き出した俊弥に、背後から疑念をぶつける。
「……あんた、引っ越したんじゃなかった? 確か、中学の時」
「……気になる?」
顔だけ振り返り、横目でわたしを捉える。
……またわたしをからかって遊ぶ気だな。その手には乗らないんだから。
「別に。近所じゃないなら送ってもらう義理もないし」
「近所じゃないのに送るわけねーだろ。今、地元戻って一人暮らししてんだよ」
目を合わせずに言い放つと、先程まで皆に見せていた爽やかな笑顔とはうって変わって、仏頂面で返事した。
「……そんな気に入ってたの?あの町。何もないのに」
「……自分の意志で出て行ったわけじゃないし。母親に連れてかれただけだからな」
俊弥の言葉に頭の中で思考が回り、そして繋がった。