イケメンなんか大嫌い
店を後にし、並んで夜道を歩く。
人通りの少ない裏通りに入ると、おもむろに右手を掴まれ、俊弥のコートのポケットの中へ連行された。
心の中で悲鳴を上げたことを悟られないように平常心を装うが、瞬きの回数が増え、顔が熱くなって来た自覚がある。
堪らず左手の甲で口元を隠し、そっぽを向いてしまう。
お互いに黙ったまま歩を進め、わたしのアパートが近付いて来た。
そろりと俊弥の顔を盗み見ると、街灯に照らされた横顔が綺麗だった。
当然のようにアパートの階段を登り始める俊弥を、いつ止めるか考えていた。
部屋の前まで来て、ポケットの中の手を離す。
「えっと……送ってくれてありがと……」
笑顔を作ってみたものの、目線が泳ぐ。
ドアノブに右手を掛けつつ鞄の中の鍵を探ろうとすると、大きな手が重ねられた。
「……入れてくれないの?」
大きな瞳があっけらかんと顔を覗き込んで来て、たじろいでしまう。
「……えぇと……」
「帰りたくない」
「……」