イケメンなんか大嫌い
無事に法事を終え、親族一同10名程で割烹料理屋へ移動する。
お父さんの卓上サイズの遺影も連れて行き、お母さんが生ビールを供えた。
わたしはお母さんの隣に腰掛け、前には叔父さんと瑠実ちゃん夫婦が、左隣には兄夫婦が座った。
飲み物を選びながら、世間話をする。
「道は渋滞してなかったですか?」
「そうねぇ、空いてて良かったわ」
「7時半に出て来たからな。早目に着いて助かったけど、ねっみぃ。オレ飲んで良い?」
「良いわよ、運転するから」
お嫁さんである柚乃(ゆずの)さんが穏やかな微笑みを湛えているのに対し、お兄はあくびをしながら伸びをした。
わたしもお兄も誰に似たのか、がさつで大雑把だ。
隣のお母さんと、お父さんの遺影を視界の隅に入れつつ溜息を零す。
柚乃さんは今時珍しいくらい、奥ゆかしく落ち着いた女性らしい素敵な人で、外見まで細く儚げで美しい。
こんな品性と美貌を兼ね備えた人が、何故この兄を選んだのか……世の中間違ってる。