イケメンなんか大嫌い
「……もしかして……写真撮りたいの?」
「…………とっ…………撮りたい……」
たったそれだけの返事を口にするのに、ありったけの勇気を振り絞ったくらいの感覚だった。
熱を持った頬を自覚すると、更に熱が上がったように感じる。
大きな手が頭上に降りて来て、髪をくしゃくしゃと撫で回した。
「貸してみ」
そんな、はにかんだような笑顔はずるいと、心臓が高鳴ってしまった。
肩を引き寄せられ、俊弥が腕を伸ばしスマートフォンをかざす。
触れられた部分から、身体が痺れそうな錯覚に襲われた。
「はい」
唐突な掛け声に、慌てて笑顔を作るとシャッターが切られた。
一瞬画面に目を落としてから、薄く笑ってこちらへ向けてくれる。
受け取り、こくこくと頷くと再びはにかんだ顔と目が合い、髪をくしゃっと掻き回された。
「もう……ぐしゃぐしゃになっちゃう」
反論しながらも、表情が緩んで来た自覚がある。
俊弥とツーショットを撮る日が来るなんて、思いもよらなかった。
「こっち」
満足気なわたしを確認すると、もう一度手を取り歩き出した。