イケメンなんか大嫌い
家へ帰る道中も、ベッドに腰掛け一息つく瞬間も、頭の中は“どうにかしないといけない”と切羽詰っているのに、この期に及んでまだわたしは、覚悟が足りていないらしかった。
しばし焦点の定まらない目で宙を見つめていたが、空腹に気が付きのろのろと立ち上がる。
冷蔵庫を開いたものの、食事を作る元気は沸かずに冷凍してあったカレーとご飯を取り出した。
──本当はあの言葉で、わかっていた。
『お前は飽くまでも、恋人やる気はねぇって?』
俊弥はちゃんと恋人しようとしてくれていたこと。
不用意に傷付けたこと。
それでも……怖いんだ。
本気で向かって行って、拒否されることが。
レンジが音を上げて止まり、我に返って顔を上げた。
中身を皿に開け、静かな空間の中スプーンで口に運びながら、震えそうな口元を感じた。
わたし、また見切られたのか……。
『……付き合わねーし。未麻みたいな可愛くない奴』
あの頃と同じ。わたしは何ひとつ変われていなかったのか。
これまで本気で恋愛して来なかったバチが当たった。
賢司くんを傷付けておいて、ひとりだけ幸せになろうとしたバチが……。
頭を掠めると、耐え切れず目尻に浮かんだ涙を、拳を握り締めた手首で拭った。