イケメンなんか大嫌い
家へ帰っても、静かに淡々と、しかし抑鬱的な時間を過ごし、何の解決法も見い出せないままに、再度週末を迎えた。
この土曜日も空はよく晴れて、干したばかりの洗濯物がベランダにはためいている。
高い空を見上げると、心もいくらかは洗われるように思えた。
瞳を閉じて、深く吸った息を吐き出していると、頬を撫でる冬の冷たい空気を鋭く捉えた。
ひとりで堂々巡りしていても埒が明かない。
事実をようやく受け止め、客観的な意見を貰うべきだと、スマートフォンに連絡先を開き、眺めた。
こういう時に連絡する人はひとりしか居ない。
『もしもし~? 久しぶりじゃん、元気~?』
文章ではなく会話がしたくて、出るだろうかと気を揉みながらも発信してみると、呼び出し音が2回鳴ってから明るい声が耳に届いた。
「梨花……久しぶり。今、話せる? 外かな?」
電話の向こうでガヤガヤと音が反響している。
『うん、大丈夫~』
途端、騒々しい音が止み静寂に包まれ、どうやらテレビの音だったらしいと察した。
「……あのさ……わたしさ……」
『……何かあった?』
「…………」
絞り出そうとしている現状が辛いのか、わたしを案じる優しい声に安心したのか、急に熱くなる目頭を感じた。
膝の上の拳を握り、唇を噛む。
「……俊弥のこと……怒らせちゃった……っ」
抑圧していた想いが言葉と共に溢れ出るように、涙がぼろぼろと零れ落ちた。
「……っく……」
ぐしゃぐしゃと顔を手の甲で拭っていると、柔らかな声が呟く。
『……そっかー…………。未麻、今日予定ないの? 久々にうち、泊まりに来ない?』