イケメンなんか大嫌い

「……自分の不安を、相手に何とかして貰おうとしてる状態は、恋愛じゃないなって」

前を見据えたまま、わたし達どちらの話とも付かないような口ぶりで、吐露される。

「自分が傷付くのも怖いし、相手を傷付けるのも怖い。
けど……たぶん、思ってることを言わないことが、一番相手を傷付ける、かなぁ……」

静かに、こちらへと視線を滑らせ、目を合わせた。

「未麻は……たぶん本当は、もっと違う伝えたいことがあるんじゃないかなぁ」

真摯な表情に、胸が熱くなった。

「絶対大丈夫、なんて無責任なことは言えないけどさ。それだけストーカーしてた人が、易々と諦めるとも思わないけど」

儚げな表情が柔らかな笑顔に変わって、背中を叩いてくれた。
顔を見合わせて、笑い合う。

「……昔から思ってたけど、未麻のお兄ちゃん良いキャラしてるよねー……」
「……少しは遠慮して物言って欲しいけどね……」

口では文句を垂れながら、心の中では少しだけお兄への感謝の気持ちが沸いて来ていた。

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