イケメンなんか大嫌い
エクスプレス様と打ち合わせ、ということは……俊弥の働いているビルへ訪問するということ。
わたしの意図しない所で、動き始めた取り巻かれる状況を察知した。
担当から外れたのだし顔を合わせることもないと思われたが、妙な緊張が走る。
夕食を終え、流し台の蛇口から水を流しつつ考え込む。
スポンジで皿を洗いながら、溜息が漏れ出ていた。
万一、会うことがあったら……?
連絡を取らないまま鉢合わせたりしたら……気まずい空気になるのだろうか。
冷たく無視されるのだろうか。
それとも……。
だけど今日連絡を入れたら、明日打ち合わせに行くから連絡したみたいじゃないか?
今日思い出したわけでもなく、ずっと悩んでいたのにそう思われるのは不本意で、やはり通話ボタンを押すことは出来なかった。
午前10時の約束で、前園係長とエクスプレス様のビルへ到着した。
まだ新しく綺麗なビルで、小会議室へと通される。
「お待たせしました。お久しぶりですね」
ドアが開き、西田さんと後ろから連れ立って来た人が顔を出した。
もちろん俊弥ではなく、30歳前後の背の高い男性で爽やかな笑顔を向けてくれる。
「今回のコンサルティングサービスの担当をしております、瀬尾(せのお)と申します」
名刺を交換すると、早速資料が広げられた。