イケメンなんか大嫌い

ぽつりと耳に届いた囁くような声に顔を上げると、しまったという表情をしているので、聞き間違いではなさそうだった。
じっとりと視線を送ってくる僅かに紅潮した顔が、じりじりと近付いて来るので、反射的に胸の前に掌を開く。

「今からする?」
「えっ……えっとぉ……」

仕返しかの如く、楽しそうに不敵な笑みを浮かべるが、わたしの意識は別の箇所に向かっていた。
距離を詰めるから、太腿に硬いものが当たってるんだってば……っ。

「なんで、嫌なの? 良くなかった? あんなによがってたのに」
「それは……っ……そうだけど……」

余りの恥ずかしさに目線を合わせられず顔を背けたが、にやにやといやらしく上げられた口角を目の端で捉えた。
そうかと思うと、瞼に優しくキスを落とすのだった。

「俺は、蕩けそうだったけど」

そんな台詞はずるいと、唇を結び眉間を寄せるが、顔は高揚しきっている。
降らされた熱いキスを受け止め、両手の指を絡め合った。

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