イケメンなんか大嫌い
電車に揺られ、街へと繰り出す。
揺れる車両で隣に腰掛けた人に、問い掛ける。
「何か欲しい物ある……?」
「……うーん。何だろうな。何か小物?」
「アクセサリーは付けないし……服飾小物か、普段持ち歩く物?」
調達していなかった後ろめたさもあったが、一緒に買い物に行く流れになり、胸を撫で下ろしている自分もいる。
先日の買い物の動向を思い返すと、俊弥の気に入る物を選べる自信がなかった。
……何かこだわりが強そうでめんどくさ……思わず浮かべかけた本音を心の奥へ仕舞い込み、メンズ専門のファッションビルへ到着すると、真面目にプレゼントを探そうと意気込む。
冬なのでマフラーや手袋などを提案してみたが、いまいち反応が悪く、安易だったと判断し革小物の売り場へ移った。
一通りぐるりと見て回りながら、最後の方で目を惹かれた青い物を手に取る。
同じシリーズで色違いのパスケースやキーケースなども陳列されていたが、中でも店頭に出ている青色の物は名刺入れのようで、深い色味と風合いある革が美しい。