イケメンなんか大嫌い
「……お客様と打ち合わせとか、するよね」
「そうだな。担当変わって今までより増えると思う」
躊躇いつつも顔を見上げ、名刺入れを差し出した。
「……これはどう? ……あ、青好きでしょ? 俊弥、ランドセルが青かったもんね。こないだもブルーのニット買って……」
「……あぁ、そうだったな……」
わたしの手から受け取りながら、何故か照れたような仕草を見せる俊弥に疑問を持つ。
「なんでそこで照れるの」
「……ランドセルって。何か黒歴史っぽい……」
「……確かに目立ってたけど」
「ガキの頃はもう思い出さなくていい……」
手元に視線を落としながら眉根を寄せ、中を開いて作りを確認している。
「……なんで。思い出すもん。あの頃があったから、今のわたし達があるんでしょ……っ?」
紅潮した頬を自覚したが、構わず俊弥のコートの裾をきゅっと掴んだ。
怖々見上げると、意表を突かれたような顔をしている。
「……じゃあ、これにする」
はにかんだようにつぶやいた面差しに、繋がった想いを感じ取り、胸が熱かった。