イケメンなんか大嫌い
愛唯ちゃんはカナダで仕事をしている。
行ったこともないのに何故かイメージだけで、友達とお洒落にルームシェア生活、なんて想像をしてしまったけれど。
普通に、彼氏と同棲しているということもあり得る。
最後に会った成人式の時は、学生の頃以上に可愛くなっていた彼女が鮮明に思い起される。
中学を卒業してからは疎遠になってしまったから、親同士も付き合いが薄れているらしい。
愛唯ちゃんの話題が出たので、俊弥の顔が脳裏に浮かんだが、此処最近の成り行きを伝えるのはやめておいた。
「実家にも帰って来るらしいから、顔見に来てあげてって、言ってたわよ」
「……それ社交辞令じゃ……お母さん達が思ってる程には仲良くないんだよね、成人式だってほぼ5年ぶりに喋ったような……」
「……俊弥くんは、元気にしてるのかしらね。今頃、かっこ良くなってそうじゃない!?」
「……さぁ」
2枚目のお煎餅に手を伸ばしながら、知らばっくれてしまった。
「今晩食べてくわよね。お鍋で良い? ひとりだと寂しくて中々出来ないからね~」
冷蔵庫の野菜室を漁っているお母さんに、顔だけを向け相槌を打つ。
わたしもお鍋はしづらいから、実は結構嬉しい。
去年は賢司くんとしたけど、今年はどうだろうな……。
浮かんだ疑問が、頭をもたげて行く。
「泊まってっても良いけど」
お母さんが冷蔵庫を閉じて、向き直って微笑んだ。