イケメンなんか大嫌い
歩いて15分という距離なのに、結局土曜日は実家に泊まり、日曜日の昼頃までだらだらと甘えてしまった。
週明けを迎え、午前中の早めに設備担当へ連絡を入れる。
『設備登録担当、榊でございます』
「第2営業部の香坂と申します。榊さん、先週木曜日にご連絡頂いていたニューユニオンビルの件なんですが」
受話器の向こうから、榊さんの少し困ったような明るい声が響く。
『あっ……契約者エクスプレス様の分ですよね? 金曜日ですかね……坂井さんからご連絡入りましたけど』
「……えっ!? エクスプレス様から直接連絡入ったんですか!? それは……ご迷惑お掛けして申し訳ありません!」
坂井さん、何をしてくれてるんだ……!
榊さんへ謝罪の言葉を述べながら、思わず顔が引き攣った。
いくらグループ会社とはいえ、わたし達営業を通さずに設備に直接連絡を入れるのはルール違反だ。
涼しい顔して、実は困った人!?
『今週末に設備の工事予定なので……何事もなく完了すれば、来週半ばくらいにはオーダー進めて頂けるようになります、とお伝えしています』
榊さんにお礼を告げ電話を置くと、続けざまにエクスプレス様の番号を押した。
坂井さんへの取り次ぎを待つ。
『お電話代わりました、市川です』