イケメンなんか大嫌い
うげっ!
思わず心の声が漏れそうになり、慌てて喉の奥に飲み込んだ。
何故か電話口に出て来た俊弥に、平静を装い疑問を口にする。
「第2営業部、香坂です……。あの……今日、坂井さんは……?」
『今日休みなんですよね。代わりにお伺いしますけど。どの件ですか』
こんな時に休みとは……休み前に確認を済ませておいたということかもしれないが。
「いや……坂井さんは進捗把握されてるんで、特に大丈夫なんですけど、営業として報告義務があるかと。あの~……設備さんに直接連絡されてたみたいで~……」
『……それは、申し訳ありませんでした。お詫びさせて下さい』
「え……いや、そんな大ごとにするつもりは」
思い掛けず下手に出て来た“市川さん”に若干驚く。
しかし正直、エクスプレス以外のグループ会社でも割とよくあることなので、抗議出来さえすればそれで良かった。
『この借りは必ず』
「……大丈夫です。またご本人にご連絡させて頂きますんで、失礼します」
どういうわけか食い下がって来る俊弥をスルーして、無理矢理電話を切った。
奴の言動に疑問が残り首を傾げつつも、頭に浮かんだ率直な意志に従った。