イケメンなんか大嫌い
「なぁ、今度俊弥の部屋で飲もうぜー。何処らへん?」
「あー、北公園の裏」
男性陣が枝豆を摘みながら、楽しそうに盛り上がっている。
「じゃあさっきのカフェの本当近くじゃん。マンション?」
「そんな大きくない。ハイツ? ネオメゾンってやつ」
「あぁ、CMしてるヤツ? モデルの……あの子誰だっけ、髪の毛ふわふわした可愛い子が出てる」
そこまで黙って生ビールのジョッキを煽っていた愛唯ちゃんが、呆れたように突っ込みに入った。
「……何、色気ないなぁー君達。男子だけで盛り上がっちゃって」
「うるせぇなー、結婚する奴にこの寂しさがわかるまい」
津村くんが泣き出しそうな面持ちで睨み返すと、もうひとりの女子である希英(きえ)ちゃんが楽しそうに前のめりになった。
明るく誰とでも話す、わたしも中学まで割と仲の良かった子だ。
「皆の恋バナ興味あるー♡」
「あたしもある!」
愛唯ちゃんが鼻息荒く加勢する。
参加メンバーの中では昔から比較的大人しい雰囲気の、お洒落眼鏡の木原(きはら)くんが口を挟んだ。
「……彼女居るのって……ナベだけ?」
「ナベくんだけかよ」
口悪く吐き捨てた愛唯ちゃんに、男性陣が一斉に視線を注いだ。
「多崎って、そんなキャラだったっけ……?」
「んー、日本に居た頃は色々取り繕ってたなー。意識的にも、無意識にも」
経験に裏打ちされた言葉の重みが、今のわたしに伸し掛かるようで、胸が傷んだ。