イケメンなんか大嫌い

「……愛唯ちゃんはっ! 彼氏とラブラブなんでしょ? どれくらい付き合ってるの」

居たたまれずに半ば強引に話題を変えたら、声が裏返ってしまった。
また動揺を見透かされるであろうことがわかるから、怖くて俊弥の方を振り返れない。

縋るように愛唯ちゃんを窺い見ると、綺麗な真顔と目が合う。
冷ややかにも思える表情にギクリとしたその時、柔らかく綻んだ。

「そーだね~今1年くらいかなっ」

見間違いかと目をぱちくりさせてしまう程の豹変ぶりだが、無言で何かを訴え掛けられたような気がする……。

「欧米の人って、すごい表現してくれそうだよね、愛情を」

希英ちゃんが興味津々で話に乗ってくれて、頬に手を添えうっとりと宙を眺め始めたのでホッとした。

「あぁ、確かにそうだね。スキンシップを欠かさないし、毎日その日のこと報告し合ってから、抱き合って眠ったりとか。エスコートも常だし」

「まじでそんな絵に描いたような、げろ甘生活送ってんの」

「……羨ましいだけだろ? 津村」

木原くんの突っ込みに、バレたかと舌を出しておどけて見せる津村くん。
その隙に心を落ち着かせようと、梅酒を喉に流し込んだ。本当はお冷が欲しかったけれど。

「未麻ちゃんだって、彼氏とするよね~?」

愛唯ちゃんに不意を突かれて、梅酒が気管に入りそうになり、咳き込む。

「どしたの、大丈夫?」
「……ごめ」

今度は自分に注目が集まってしまった。

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