イケメンなんか大嫌い
「あんまり上手く行ってるように聞こえないんだけど」
「……行ってるよ。明々後日も平日だけど会うし」
俊弥の蔑んだような視線と不躾な物言いに、カチンと来て反論する。
しかし20日ぶりに対面することを晒すのは後ろめたく、心に仕舞っておく。
「随分物分りの良い恋人なんだな」
棘のある言葉に、一層眉をひそめた。
不穏な空気を肌で感じ、何とかこの場を丸く収めたい心中とは裏腹に、口を突いて出たのは嫌味混じりの返答。
「……そうだね、きっと大人なんだよ。良い人と出会えて幸せ」
「“都合の良い人”の間違いじゃねぇの?」
俊弥はわたしの嫌味を軽く躱して、横目で見遣り鼻で笑った。
かっと来て身を乗り出してしまう。
「なっ……」
弾みでテーブルの上のグラスがガチャンと音を立てた。
凍り付いた場の空気に感付いたけれど、不愉快極まりなく、溢れ出てしまいそうな気持ちを食い止めるだけで精一杯だった。