イケメンなんか大嫌い
ゆっくりと半分程ドアを開け、外を覗き見て怪訝な顔で伺う。
「……何か?」
「よぉ」
歓迎されていないことは、わたしの態度で気付いたはずなのに、どこ吹く風で全くひるむ様子もない。
変わらず轟音を鳴らしている胸の辺りの服を掴み、出来るだけ心を落ち着けて、お引き取り願おうとひそひそと小声で働き掛けた。
「……今、彼が来てるの。悪いけど用があるなら今度に……」
チェーンを掛けていなかったことを後悔した。
相手が俊弥とは言え、失礼だと気を遣ったのか、気を許したのか。
話せばわかる、空気を読む奴だと何処かで信じていたのだろう。
一瞬の隙を突いて、強引にドアをこじ開け、玄関に押し入られてしまった。
バタンと大きな音を立て扉が閉まる。
わたしも賢司くんも、度肝を抜かれ茫然としていた。
しかしわたしはそれ以上に、脳内から送られてくるサイレンに、心臓が縮こまるようで、酷く恐ろしかった。
賢司くんの視線が、後頭部に突き刺さるように感じた。
「……な、何しに来たの? なんか用?」
仕方なく、つっけんどんな対応をしてさっさと帰って貰おうと試みる。
そんなわたしの浅はかな企みは、呆気なく打ち砕かれた。