イケメンなんか大嫌い

必死の思いで突き飛ばし、バチンと頬を叩いた。
口が、手が震えているのは、恐れからなのか憤りからなのか。

それでも尚、普段通りの鋭い一瞥をくれた後、何食わぬ顔で肩を引き寄せ、賢司くんに向かって言い放った。


「こいつ、俺のなんで」


「……はっ……!? な、何ふざけてんの? 頭沸いてんじゃないの!?」

俊弥を殴った掌と、胸が痛く、余りの仕打ちに顔を歪め声を震わせた。
見上げたその自信あり気な面差しに、ぞくりと血の気が引き、胸騒ぎを強めた。

──わざと?
鉢合わせるように仕向けた?

そこでわたしは漸く、最後に会った同窓会の二次会での会話を思い出した。

『明々後日も平日だけど会うし』

俊弥に自ら情報を与えてしまっていた事実を。


「……賢司くん……っ! この人頭おかしいから……」

辛うじて向き直り顔を合わせた人は、生気の失われたような、しかし何処か達観したような、見たことのない顔付きをしていた。

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